小笠原 奈菜 委員

小笠原 奈菜 委員(写真)

私たちが直面している高度な情報通信社会において、個人情報はかつてない速度で流通し、その取扱いはますます複雑化しています。このような状況の中で、個人情報保護委員会の役割は一層重要となっており、委員会の使命である個人情報の適正な取扱いを確保することが、社会全体の信頼と安全を支える基盤となっています。

民法・消費者法分野の学識経験者として、この分野におけるハードローとソフトローによる柔軟な対応が、個人の権利利益の保護と個人情報の利活用の両立の重要な要素であると認識しています。東北地方の自治体での消費生活審議会委員としての長年にわたる経験を通じて、地域社会における個人情報保護を含む消費者の権利利益の保護に関する実践的な課題に対応する方法を学びました。また、適格消費者団体での活動を通じて、現実に発生しているトラブルへの苦情あっせん、相談への対応や、問題を事前に防ぐための広報啓発の重要性を実感しました。これらの経験を踏まえ、個人情報保護委員会の一員として、個人の権利利益の保護と個人情報の利活用のバランスを見極め、両者の調和を図るために尽力してまいります。高度な情報通信化が進む現代において、個人情報の適正な取扱いが、国民一人ひとりの日常生活に安心をもたらし、社会全体の発展に寄与することを目指し、微力ながら取り組んでまいります。

略歴

平成11年3月 一橋大学法学部卒業
平成18年3月 一橋大学大学院法学研究科博士後期課程修了
平成24年10月 山形大学人文学部准教授
令和元年12月 山形大学人文社会科学部教授
令和5年4月 東京都立大学大学院法学政治学研究科教授
令和6年1月 個人情報保護委員会委員
現職 個人情報保護委員会委員
東京都立大学大学院法学政治学研究科教授