清水 涼子 委員

清水 涼子 委員(写真)

私の公認会計士としての職歴は、専ら営利企業を対象とした会計監査からスタートしましたが、次第に採算性や効率性のみならず、公正性や公平性といった異なる要素が求められる公的部門に魅了され、以来、公会計及び公監査の実務や研究に長く従事することになりました。そこでのキーワードは、「市民目線」。市民は顧客であり、公的部門のための行政であってはならないのです。これらの業務に従事するに当たっては、常に「市民の福祉の向上に役立っているのか」、「市民への説明は十分か」といった問いを持ち続けました。

この度、個人情報保護委員会委員に任命されましたが、委員としての活動においてもこのような視点を持ち続けたいと思っています。令和5年4月施行の改正個人情報保護法では、地方公共団体も官民一体化により適用対象となり、漏えい等事案発生時には個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務付けられることになりました。地方公共団体には、大切な個人情報を預かっているわけですから、それらを保護するための適切な内部統制の仕組みを構築し運営していくことは当然のことながら、それらを利活用して重要政策の実現や行財政運営の効率化を図っていくことが求められているのだと思います。

地方公共団体における取組が本法律の趣旨に沿ったものとなり、「便利になったね」、同時に「安心もできるね」といった市民の満足につながるものとなるよう貢献してまいりたいと考えています。

略歴

昭和57年3月 東京大学法学部卒業
平成元年4月 中央新光監査法人入所
平成4年3月 公認会計士登録
平成12年8月 中央青山監査法人パートナー
平成19年4月 関西大学大学院会計研究科教授
令和6年1月 個人情報保護委員会委員