宍戸 常寿 委員

宍戸 常寿(写真)

デジタル社会の進展に伴い、データを有効に利用しつつ、そのリスクを適正に管理することが、私たちの日常生活や経済、そして政治・行政の各分野で求められています。生成AIをはじめとするテクノロジーの進展が急速に進む中、信頼性あるデジタルガバナンスの構築が、民間企業・行政機関等の組織のレベル、社会のレベル、そしてグローバルなレベルでも重要な課題となっています。

個人情報保護法は、「個人の人格尊重の理念」(3条)の下で個人情報等の適正な取扱いを定めるもので、特定個人情報の安全かつ適正な取扱いを定める番号法とともに、デジタル社会を支える基本法制の一つです。個人情報保護委員会は、官民における個人情報等の取扱いに関する監視・監督等を任務とする専門的かつ独立の機関ですが、現在では上記のようなデジタルガバナンスの一翼を担う存在でもあると、私は考えています。

これまで私は憲法・情報法の研究者として、表現の自由・プライバシー・通信の秘密といった基本的人権、そして民主主義・法の支配といった統治の基本原理が、デジタル化によって直面している課題について考え、政府や民間の研究会等でも発言してきました。個人情報保護委員会の委員として、その職権を適切に行使するとともに、様々な立場の方々と対話して学びながら、より開かれた個人情報保護法制のありかたを模索し、信頼性あるデジタルガバナンスの構築に貢献できるよう、努めていきたいと思います。

略歴

平成9年3月 東京大学法学部卒業
平成9年4月 東京大学大学院法学政治学研究科助手
平成12年10月 東京都立大学法学部助教授
平成19年4月 一橋大学大学院法学研究科准教授
平成22年4月 東京大学大学院法学政治学研究科准教授
平成25年10月 東京大学大学院法学政治学研究科教授
令和7年1月 個人情報保護委員会委員
現職 個人情報保護委員会委員
東京大学大学院法学政治学研究科教授