生活保護の適正な実施のために行う調査の一環として、社会福祉事務所員から生活保護申請者の資産や収入状況等の個人情報の提供を要請された場合、当該要請に応じることは、個人情報保護法上問題がないか。

5 第三者提供等

Q5-5

生活保護の適正な実施のために行う調査の一環として、社会福祉事務所員から生活保護申請者の資産や収入状況等の個人データの提供を要請された場合において、本人の同意を得ずに、当該要請に応じて個人データを提供することはできるか。

A5-5

個人情報取扱事業者は、一定の場合を除き、あらかじめ本人の同意を得ないで、「個人データ」を第三者に提供することを禁じられています(個人情報保護法第 27 条)。

一方、生活保護の適正な実施のためには、生活保護申請世帯及び生活保護受給世帯の資産及び収入の状況把握が不可欠です。そのため、生活保護法(昭和 25 年法律第 144 号)第 29 条は、保護の決定若しくは実施又は同法第 77条若しくは第78 条の規定の施行のために必要があるときは、保護の実施機関及び福祉事務所長が、要保護者又は被保護者であった者及びその扶養義務者の資産、収入及び支出の状況等につき、銀行、信託会社、要保護者又は被保護者であった者及びそれらの者の扶養義務者の雇主その他の関係人に、報告を求めることができる旨が規定されています。

当該規定に基づく任意調査について、法令の規定で情報の提供そのものが義務付けられているわけではありませんが、第三者(福祉事務所長)が情報の提供を受けることについて法令上の具体的な根拠があるところであり、当該要請に応じて個人データを福祉事務所長に提供することは、個人情報保護法第 27 条第1項第1号における「法令に基づく場合」に該当するため、個人データを提供する際に本人の同意を得る必要はありません。

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