「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」【総論】
- <個人情報を研究に利用する場合の取扱い>
- Q4-1
患者・利用者の個人情報を研究に利用する場合、本人の同意が必要ですか。
- A4-1
令和3年改正法の施行により、大学その他の学術研究を目的とする機関若しくは団体又はそれらに属する者(学術研究機関等)が学術研究の用に供する目的で個人情報を取り扱う場合にも、個人情報保護法が適用されることとなりました。その上で、利用目的による制限(同法第18条第1項)、要配慮個人情報の取得制限(同法第20条第2項)、第三者提供の制限(同法第27条第1項)等については、学術研究目的で個人情報を取り扱う一定の場合に関し、個人の権利利益を不当に侵害するおそれがある場合を除き、例外規定が設けられています。
また、こうした例外規定の適用を受けない場合であっても、公衆衛生の向上に特に資するものであって、本人の同意を得ることが困難であるときには、本人の同意を得ることなく、利用目的の達成に必要な範囲を超えた個人情報の取扱いや、個人データの第三者提供が許容されるものとされています(参照:本ガイダンスp27、p47、「「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A」のQ2-15、Q7-24、Q7-25)。
ただし、医学研究分野に関しては、「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」(令和3年文部科学省・厚生労働省・経済産業省告示第1号)など本ガイダンスの別表5に掲げるような医学研究分野に関する指針が策定されており、これらの指針に該当する研究は、当該指針の内容に従う必要があります。これらの指針において、研究を実施するに当たり、原則としてインフォームド・コンセント(同意)を得る必要があるとされていますが、一定の条件を付してインフォームド・コンセントを必ずしも要しない場合についても規定しています。