学校で怪我をした生徒に担任の教師が付き添って来ました。ガイダンス3 2ページには、「学校からの照会には回答してはならない」とあります が、保護者の同意書等がなければ担任の教師に怪我の状態などを説明してはいけないのでしょうか。

「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」【各論】

<個人データの第三者提供>
Q4-23

学校で怪我をした生徒に担任の教師が付き添って来ました。ガイダンス3 2ページには、「学校からの照会には回答してはならない」とあります が、保護者の同意書等がなければ担任の教師に怪我の状態などを説明してはいけないのでしょうか。

A4-23

個人情報保護法では、「あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない」とされており、怪我の症状を担任の教師に説明することは、第三者提供に該当します。

質問のケースにあてはめると、「本人」というのは生徒のことであり、保護者ではありません。(保護者は未成年である子供の代理人にはなります。)そして、質問のケースについては、本ガイダンス32ページにおいて、保険会社や職場からの照会と並べて記述している「学校からの照会」一般の回答ではなく、同35 ページに掲載している、「本人の同意が得られていると考えられる場合」の一例である「家族等への病状説明」の記述が参考になります。

すなわち、生徒が付き添ってきた教師の同席を拒まないのであれば、生徒本人と担任の教師を同席させて怪我の状態や治療の進め方等について説明を行うことができると考えます。

同席して説明を受けなかった場合に、後から担任の教師が医療機関に問い合わせるのは、「学校からの照会」一般の考え方に戻りますので、本人の同意がなければ回答してはならないことになります。

ただし、怪我の原因となった事故の再発防止や、再発した際の応急処置等に有効であり、学校側に必要な情報を伝えておくべきと医師が判断できる場合は、「人の生命、身体の保護のために必要がある場合」に該当し、仮に当該生徒本人の同意が得られない場合であっても、必要な範囲で担任の教師に情報提供できると考えます。

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