個人情報の保護に関する法律についてのQ&A(行政機関等編)
- 3 個人情報等の取扱い
【3-3 提供の制限】 - Q3-3-3
地方公共団体から民生委員・児童委員へ、活動に必要な個人情報を提供することは可能か。
- A3-3-3
保有個人情報の利用・提供の基本的な規律についてはQ3-3-2のとおりであり、保有個人情報を利用目的の範囲内で民生委員・児童委員に利用させる、又は提供することができます。
民生委員・児童委員に対して、保有個人情報を臨時的に利用目的以外の目的のために利用させる、又は提供を行う場合には、法令に基づく場合のほか、民生委員・児童委員が、指定都市及び中核市にあっては当該市の、その他の市町村にあっては都道府県の特別職の地方公務員であるため、民生委員法(昭和 23 年法律第 198 号)や児童福祉法(昭和 22年法律第 164 号)に基づく業務に必要な限度で提供に係る保有個人情報を利用し、かつ、当該保有個人情報を利用することについて相当の理由があるときには、情報提供を行う地方公共団体の機関と情報提供を受ける民生委員・児童委員との関係や民生委員・児童委員が行う事務の内容に応じて、法第 69 条第 2 項第 2 号又は同項第 3 号を根拠に保有個人情報を利用させる、又は提供を行うことが考えられます。
また、同号における「相当の理由があるとき」とは、行政機関等の恣意的な判断を許容するものではなく、少なくとも、社会通念上、客観的にみて合理的な理由があることが求められます。相当の理由があるか否かは、保有個人情報の内容や当該保有個人情報の利用 目的等を勘案して、行政機関の長等が個別に判断することとなりますが、例外的に利用目的以外の目的のための利用・提供が許容される場合について規定した趣旨から、例外としてふさわしい理由であることが求められます(事務対応ガイド 4-5-2(3)参照)。
以上を踏まえ、実際の提供の適否については、保有個人情報の内容、当該保有個人情報の利用目的、提供先における必要性等を勘案して、利用目的のための提供か利用目的以外の目的のための提供かを含め、地方公共団体において適切に判断する必要があります。
(令和 6 年 3 月追加)