制度の概要(独自利用事務)

1.独自利用事務とは

マイナンバー(個人番号)の利用は、番号法に定められた事務に限定されていますが、番号法第9条第2項の規定により、社会保障・地方税・防災に関する事務その他の事務であって、各地方公共団体が条例で定める事務(独自利用事務)についても個人番号を利用することができます。

2.独自利用事務の情報連携とは

独自利用事務の情報連携制度
  • 独自利用事務の情報連携の仕組みです。申請者が市町村に法定事務の申請を行った時に、情報提供者から情報提供ネットワークを介して法定事務を実施を行う部署に情報が連携されることを示す図です。このため、申請者は添付書類が不要になります
  • 委員会規則で定める要件
    • ① 独自利用事務の趣旨又は目的が、法定事務の根拠となる法令の趣旨又は目的とおおむね同一であること。
    • ② その事務の内容が、法定事務の内容と類似していること。

    → このとき情報連携を行う機関・連携される情報は以下のとおり

    • 〇情報照会者: 地方公共団体の長その他執行機関
    • 〇情報提供者: 法定事務における情報提供者と同一又は当該情報提供者のいずれか
    • 〇連携される特定個人情報: 法定事務において提供を求める特定個人情報の範囲と同一又はその一部

情報提供ネットワークシステムを使用して他の行政機関、地方公共団体等が保有する特定個人情報を照会・提供することを「情報連携」といいます。

番号法別表第二に掲げられている事務(法定事務)は、番号法第19条第8号の規定により、情報連携を行うことができます。

それに対し、独自利用事務については、番号法第19条第9号の規定により、いずれかの法定事務に準ずるものとして委員会規則で定める要件(※)を満たす場合に、個人情報保護委員会に届け出ることで、情報連携を行うことができます。

委員会規則で定める要件を満たす典型的な事務は、「情報連携の対象となる独自利用事務の事例」として公表しています。

3.独自利用事務の情報連携の効果

独自利用事務の情報連携を導入することにより、例えば以下のような効果が期待されます。

例:B町からA市に転入した申請者が一つの窓口で
 ①児童扶養手当(法定事務)、②ひとり親等の医療費助成(独自利用事務)の申請を行う場合
A市が独自利用事務の情報連携を行っている場合①児童扶養手当
(法定事務)②ひとり親等の医療費助成(独自利用事務)では申請者は添付書類の取得・提出が不要で負担軽減になるが、独自利用事務の情報連携を行っていないと添付書類の取得・提出が必要で申請者の負担が残ることを説明した図です
独自利用事務の情報連携を実施する効果
  • 住民の皆様にとっては、法定事務の情報連携に加えて独自利用事務の情報連携が進むことにより、多くの添付書類を削減することができる。(課税証明書等の添付書類の取得が不要となり、事務手続上の負担や手数料負担が軽減される)
  • 地方公共団体にとっては、各事務手続における添付書類の取扱いの統一を図り、業務フローを簡素化することができ、業務が効率化する。

このほか、先進団体において独自利用事務の情報連携の効果が出ている事例を以下のとおり紹介しておりますので、庁内における導入検討の参考としてご参照ください。