平成 29 年3月 29 日
(令和3年3月 23 日一部改正、
令和4年3月 23 日一部改正、
令和5年3月 31 日一部改正、
令和6年3月1日一部改正)
個人情報保護委員会
経済産業省
目次
- 前文
- I.目的及び適用範囲
- II .法令解釈指針・事例
- 1.定義
- 1-1.情報の性質に関連する用語
- 1-2.本人と事業者に関連する用語
- 1-3.「個人遺伝情報」の扱いに関連する用語
- 1-4.本人への対応に関連する用語
- 2.個人遺伝情報取扱事業者等の義務等
- 個人遺伝情報の利用目的関係(法第 17 条・第 18 条、第 21 条第3項関連)
- 不適正利用の禁止(法第 19 条関連)
- 個人遺伝情報の取得関係(法第 20 条・第 21 条関連)
- 個人遺伝情報の管理(法第 22 条~第 25 条関連)
- 個人遺伝情報の漏えい等の報告等(法第 26 条関連)
- 第三者への提供(法第 27 条~第 30 条関連)
- 個人遺伝情報に関する事項の公表、個人遺伝情報の開示・訂正・利用停止等(法第 32 条~第 39 条関連)
- 個人遺伝情報の取扱いに関する苦情処理(法第 40 条関連)
- 仮名加工情報取扱事業者等の義務(法第 41 条・第 42 条関連)
- 匿名加工情報取扱事業者等の義務(法第 43 条~第 46 条関連)
- 遺伝カウンセリング
- DNA鑑定における留意事項
- 個人遺伝情報取扱審査委員会
- 個人遺伝情報取扱事業者の事業計画
- 検査等の質の確保
- 1.定義
- III .「勧告」、「命令」及び「緊急命令」等についての考え方
- IV.適用除外 (法第 57 条関連)
- V.適用の特例(法第 58 条関連)
- VI. 域外適用(法第 171 条関連)
- VII.講ずべき安全管理措置の内容
- VIII.ガイドラインの見直し
- IX.個人遺伝情報取扱事業者がその義務等を適切かつ有効に履行するために参考となる事項
前文
ヒトゲノム・遺伝子解析研究の進展は、個人遺伝情報を用い、情報技術を駆使した幅広い医療・健康サービスによる人々の健康や福祉の向上、さらには新しい医療・健康サービス産業の育成に重要な役割を果たそうとしている。
一方、個人遺伝情報解析は、本人及びその血縁者の遺伝的素因を明らかにし、また本人を識別することができるなど、その取扱いによっては、倫理的、法的又は社会的問題を招く可能性があるため、人権を尊重し、社会の理解と協力を得て、個人遺伝情報の厳格な管理の下で適正に事業を実施することが不可欠である。また、個人遺伝情報を用いる医療・健康サービスの拡大に伴い、その科学的な意義や分析の妥当性等を含むサービスの質の確保が益々重要になりつつある。
本ガイドラインは、そうした要請に基づき、個人遺伝情報を安全に保護し、またサービスの質を確保するために事業者が遵守すべき措置を明らかにするものである。
I. 目的及び適用範囲
本ガイドラインは、個人情報の保護に関する法律(平成 15 年法律第 57 号。以下「法」という。)第6条及び第9条に基づき、また、個人遺伝情報を用いた事業の適正な発達及び一般消費者の利益の保護の観点から、経済産業省が所管する分野のうち個人遺伝情報を用いた事業分野における個人情報の適正な取扱いやサービスの質の確保等、適正な事業の実施のために事業者が遵守すべき事項を定めるものである。
また、個人遺伝情報の持つ倫理的・社会的側面を考慮し、研究分野における倫理指針である「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」(令和3年文部科学省・厚生労働省・経済産業省告示第1号)も踏まえて規定している。
本ガイドラインは、「個人遺伝情報取扱事業者」が「個人遺伝情報」を、及び「遺伝情報取扱事業者」が「遺伝情報」を取り扱う場合に講ずべき措置について定めたものであり、本ガイドラインにおいて特に定めのない部分については、個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編、外国にある第三者への提供編、第三者提供時の確認・記録義務編及び仮名加工情報・匿名加工情報編)(平成 28 年 11 月個人情報保護委員会)及び個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(認定個人情報保護団体編)(令和3年8月個人情報保護委員会)(以下総称して「個人情報保護法ガイドライン」という。)が適用される。
また、本ガイドラインは、対象となる事業者の従業者の個人情報については適用しない。
本ガイドラインにおいて、「しなければならない」と記載されている規定については、それに従わなかった場合は、法の規定違反と判断され得る。一方、「こととする」と記載されている規定については、それに従わなかった場合でも、法の規定違反と判断されることはないが、「こととする」と記載されている規定についても、個人情報は、個人の人格尊重の理念の下に慎重に取り扱われるべきものであることに配慮して適正な取扱いが図られるべきとする法の基本理念(法第3条)を踏まえ、また、個人遺伝情報の適正な取扱いの厳格な実施を確保する観点から、社会的責務としてできる限り取り組むよう努めなければならないものである。もっとも、個人情報の保護に当たって個人情報の有用性に配慮することとしている法の目的(法第1条)の趣旨に照らし、公益上必要な活動や正当な事業活動等までも制限するものではない。
なお、本分野における認定個人情報保護団体、個人遺伝情報取扱事業者、遺伝情報取扱事業者においては、本ガイドライン等を踏まえ、各事業の実態等に応じて個人情報の適正な取扱いを確保するためのさらなる措置を自主的なルールとして定めることとする。
「個人遺伝情報を用いた事業」とは、個人遺伝情報に係る検査、解析、鑑定等を行う事業のことであり、塩基配列・一塩基多型、体質検査等の遺伝子検査、親子鑑定等のDNA鑑定、遺伝子受託解析等がある。また、個人からの依頼を受けて自ら個人遺伝情報を取得する場合と、医療機関や他の事業者からの受託により検査、解析、鑑定等のみを行う場合がある。これらの事業のうち、他のガイドラインや指針の適用がある場合の本ガイドラインの適用範囲は以下のとおりである。
個人から直接試料を取得する場合には、体質検査、DNA鑑定等がある。それらのうち、医療機関等が遺伝学的検査を行う場合には、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」(平成 29 年4月個人情報保護委員会・厚生労働省)の対象である。また、研究において実施される個人遺伝情報解析は、「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の対象である。医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和 35 年法律第 145 号)に基づき実施される医薬品、医療機器等の臨床試験並びに製造販売後の調査及び試験については、同法に基づき、既に「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成9年厚生省令第 28 号)」、「医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令(平成 16 年厚生労働省令第 171 号)」等により規制されている。これらに当たらない検査、解析、鑑定等が、原則として本ガイドラインの対象となる。医療機関等からの受託により試料を取得し、検査、解析、鑑定等を行う場合は、本ガイドラインの対象とする。なお、検査会社又は解析会社が研究機関等との共同研究の一端を担う場合は「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の対象となる。
また、衛生検査所が行う業務は、厚生労働省が所管する分野として、本ガイドラインの対象としない。
なお、体質検査又はDNA鑑定を行う場合には、個人遺伝情報の保護のほか、「Ⅱ.2.(15)検査等の質の確保」の規定を遵守する必要がある。
DNA鑑定等の法医学的背景に基づく事業は、その特殊性に鑑みて、関係学会等が定める独自のガイドラインにも従うこととする。
II . 法令解釈指針・事例
1.定義
1-1.情報の性質に関連する用語
- 「個人情報」(法第2条第1項関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
なお、生存する個人に関する情報であって、個人情報の保護に関する法律施行令(平成 15 年政令第 507 号。以下「政令」という。)第1条第1号イに定める「細胞から採取されたデオキシリボ核酸(別名DNA)を構成する塩基の配列」(ゲノムデータ(細胞から採取されたDNAを構成する塩基の配列を文字列で表記したもの)のうち、全核ゲノムシークエンスデータ、全エクソームシークエンスデータ、全ゲノム一塩基多型(single nucleotide polymorphism:SNP)データ、互いに独立な 40 箇所以上のSNPから構成されるシークエンスデータ、9座位以上の4塩基単位の繰り返し配列(short tandem repeat:STR)等の遺伝型情報により本人を認証することができるようにしたものをいう。以下同じ。)を含むものは、「個人情報」に該当するため、留意が必要である。
- 「個人識別符号」(法第2条第2項関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
- 「要配慮個人情報」(法第2条第3項関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
- 「遺伝情報」
試料を用いて実施される事業の過程を通じて得られ、又は既に当該試料に付随している個人に関する情報で、個人の遺伝的特徴やそれに基づく体質を示す情報であって、個人情報に該当しないものをいう。
- 「個人遺伝情報」
(1)に定める「個人情報」のうち、試料を用いて実施される事業の過程を通じて得られ、又は既に当該試料に付随している情報で、個人の遺伝的特徴やそれに基づく体質を示す情報を含むものをいう。
- 「試料」
個人遺伝情報を用いた事業に用いようとする血液、組織、細胞、体液、排泄物及びこれらから抽出したヒトDNA等の人の体から取得されたものをいう。
- 「診療情報」
診断及び治療を通じて得られた疾病名、投薬名、検査結果等の情報をいう。
- 「氏名等削除措置」
個人遺伝情報の漏えいのリスクを低減するために、他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができないよう、次の各号に掲げる個人遺伝情報の区分に応じて当該各号に定める措置を講ずることをいう。ただし、政令第1条第1号イに定める「細胞から採取されたデオキシリボ核酸(別名DNA)を構成する塩基の配列」については、これを削除することを要しない。
- ①法第2条第1項第1号に該当する個人遺伝情報 当該個人遺伝情報に含まれる氏名その他の記述等の全部又は一部を削除すること(当該全部又は一部の記述等を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む。)。
- ②法第2条第1項第2号に該当する個人遺伝情報 当該個人遺伝情報に含まれる個人識別符号の全部を削除すること(当該個人識別符号を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む。)。
なお、本ガイドラインにおける「氏名等削除措置」がなされた情報は、「仮名加工情報」(Ⅱ.1.(11))及び「匿名加工情報」(Ⅱ.1.(12))とは異なる点に留意が必要である。
- 「個人データ」(法第 16 条第3項関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
- 「保有個人データ」(法第 16 条第4項関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
- 「仮名加工情報」(法第2条第5項関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
- 「匿名加工情報」(法第2条第6項関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
1-2.本人と事業者に関連する用語
- 「個人情報取扱事業者」(法第 16 条第2項関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。ただし、本ガイドラインは、「個人遺伝情報取扱事業者」が「個人遺伝情報」を取り扱う場合に講ずべき措置について定めたものである。
- 「個人遺伝情報取扱事業者」
「個人遺伝情報取扱事業者」とは、「個人情報取扱事業者」のうち、「個人遺伝情報」を用いた事業を行う事業者(業務の一部としてこれを行う事業者を含む。)をいう。例えば、本人から直接試料を取得する事業者がこれに当たる。
- 「特定個人遺伝情報取扱事業者」
「特定個人遺伝情報取扱事業者」とは、「個人遺伝情報取扱事業者」のうち、個人識別符号のうち政令第1条第1号イに定める「細胞から採取されたデオキシリボ核酸(別名DNA)を構成する塩基の配列」のみを取り扱う事業者をいう。例えば、他の個人遺伝情報取扱事業者から個人情報を伴わない試料の解析を受託し、当該試料から個人識別符号のうち同号イに定める「細胞から採取されたデオキシリボ核酸(別名DNA)を構成する塩基の配列」を取得する事業者がこれに当たる。
- 「遺伝情報取扱事業者」
「遺伝情報取扱事業者」とは、遺伝情報のみを用いた事業を行う事業者(業務の一部としてこれを行う事業者を含む。)をいう。例えば、個人情報でない仮名加工情報又は匿名加工情報のみを受託し、解析等を行う事業者がこれに当たる。
- 「仮名加工情報取扱事業者」(法第 16 条第5項関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
- 「匿名加工情報取扱事業者」(法第 16 条第6項関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
1-3.「個人遺伝情報」の扱いに関連する用語
- 「インフォームド・コンセント」
本人が、事前に個人遺伝情報取扱事業者から個人遺伝情報を用いた事業に関する十分な説明を受け、その事業の意義、目的、方法、予測される結果、不利益及び精度を理解し、自由意思に基づいて、個人遺伝情報又は試料の取扱いに関して文書又は電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。以下同じ。)により同意を与えることをいう。
- 「氏名等削除措置管理者」
個人遺伝情報取扱事業者において、個人情報を外部に漏えいしないように管理し、かつ、氏名等削除措置を行う責任者をいう。
- 「個人遺伝情報取扱審査委員会」
個人遺伝情報を用いた事業内容の適否その他の個人遺伝情報に関する事項について、倫理的、法的及び社会的観点から調査・審議するため、事業者の代表者の諮問機関として置かれた合議制の機関をいう。
- 「遺伝カウンセリング」
十分な遺伝医学的知識・経験及びカウンセリングに習熟した医師若しくは医療従事者、又は十分な臨床遺伝学の専門的知識・経験を持ち、本人及び家族等の心理的・社会的支援を行うことができる者が、本人及び家族等の遺伝子検査とそれを含む事業全般に関する疑問や遺伝性の体質等をめぐる不安又は悩みの相談に答えることによって、今後の生活に向けて自らの意思で選択し、行動することができるように支援し、又は援助することをいう。
1-4.本人への対応に関連する用語
- 「本人に通知」
以下の事項の他は個人情報保護法ガイドラインの例による。
法第 21 条第1項で規定する「通知」は、原則として文書又は電磁的方法による説明及び同意を含む「インフォームド・コンセント」によることとする。
- 「公表」
個人情報保護法ガイドラインの例による。
- 「本人の同意」
法で規定する「本人の同意」は、個人情報保護法ガイドラインの例によらず、全て文書又は電磁的方法による説明及び同意を含む「インフォームド・コンセント」によることとする。
- 「提供」
個人情報保護法ガイドラインの例による。
2.個人遺伝情報取扱事業者等の義務等
- 個人遺伝情報の利用目的関係(法第 17 条・第 18 条、第 21 条第3項関連)
- ①利用目的の特定(法第 17 条第1項関連)
以下の事項の他は個人情報保護法ガイドラインの例による。
個人遺伝情報取扱事業者は、個人遺伝情報又は試料を取り扱うに当たって、インフォームド・コンセントの一環として、その利用の目的をできる限り特定することとする。利用の目的の特定は、個人情報保護法ガイドラインの例示よりも厳密に、検査、解析又は鑑定等の対象となる遺伝子を明確にする程度に行うこととする(ただし、全ゲノム検査においては全ゲノムを対象とする旨を明確にすることとする。)。 特定個人遺伝情報取扱事業者は、個人遺伝情報を取り扱うに当たって、その利用の目的を個人情報保護法ガイドラインの例により特定しなければならない。
なお、個人情報でない仮名加工情報及び匿名加工情報については、利用目的の特定を行う必要はない。
- ②利用目的の変更(法第 17 条第2項、法第 21 条第3項関連)
以下の事項の他は個人情報保護法ガイドラインの例による。
個人遺伝情報取扱事業者は、試料の利用目的を変更する場合においても、個人遺伝情報と同様に、変更前の利用目的と関連性を有すると合理的に認められる範囲内で利用目的を変更することとする。
なお、個人情報である仮名加工情報については、あらかじめ本人の同意を得ないで、変更前の利用目的と関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて利用目的を変更することも認められる。
- ③利用目的による制限(法第 18 条第1項関連)
以下の事項の他は個人情報保護法ガイドラインの例による。
個人遺伝情報取扱事業者は、利用目的の達成に必要な範囲を超えた個人遺伝情報又は試料の取扱い(法第 18 条第1項関連)は、あらかじめ本人の同意を得たか否かにかかわらず、原則として行わないこととする。ただし、以下のいずれかに該当する場合には、利用目的の達成に必要な範囲を超えた取扱いが認められる。
- 法第 18 条第3項第1号に該当する場合
- 法第 18 条第3項第2号、第3号、第4号又は第6号に該当する場合(この場合にあっては、以下のⅰ~ⅵに掲げる事項を、可能な限り、あらかじめ、本人に通知し、又は本人が容易に知り得る状態に置くとともに、本人の求めに応じて利用目的の達成に必要な範囲を超えた取扱いを停止することとする。)
- i 個人遺伝情報取扱事業者の氏名又は名称及び住所並びに法人等の代表者の氏名
- ii 個人遺伝情報又は試料の利用目的及び利用方法(他の機関へ提供される場合はその方法を含む。)
- iii 利用する個人遺伝情報又は試料の項目
- iv 利用する個人遺伝情報又は試料の取得の方法
- v 本人の求めに応じて利用目的の達成に必要な範囲を超えた取扱いを停止すること
- vi 本人の求めを受け付ける方法
- 以下の事例のように、適切かつ明確な目的や個人遺伝情報又は試料の取扱方法等についてインフォームド・コンセントを得た場合
- 【事例】
-
DNA鑑定のために取得した試料を鑑定技術の向上に向けた研究のために保管・利用する場合は、適切かつ明確な目的(「鑑定技術の向上」等)、第三者に提供する場合はその相手方、保管方法、講ずる安全管理措置、研究終了後の試料の廃棄方法等についてインフォームド・コンセントを得る。
- ④事業の承継(法第 18 条第2項関連)
個人遺伝情報取扱事業者が、他の個人遺伝情報取扱事業者から事業を承継することに伴って個人遺伝情報又は試料を取得した場合の当該個人遺伝情報又は試料の取扱いについては、本項③に準ずることとする。
- ①利用目的の特定(法第 17 条第1項関連)
- 不適正利用の禁止(法第 19 条関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
- 個人遺伝情報の取得関係(法第 20 条・第 21 条関連)
- ①インフォームド・コンセントの実施
個人遺伝情報取扱事業者は、以下に示す項目について、事前に本人に十分な説明をし、本人の文書又は電磁的方法による同意を受けて、個人遺伝情報を用いた事業を実施することとする。
また、DNA鑑定など鑑定結果が法的な影響をもたらす場合においては、その影響についても対面により適切かつ十分な説明を行った上で、文書又は電磁的方法による同意をとることとする。
インフォームド・コンセントの撤回に関しては、契約で定めることとし、電気通信回線を通じて同意を受けた場合には、電気通信回線を通じて同意の撤回を行うことができる手段を担保することとする。ただし、個人遺伝情報の特殊性に鑑み、本人が撤回を依頼してきた場合は応じることが望ましく、その際は、本人が廃棄以外の処置を希望する場合を除き、当該本人に係る試料、診療情報及び検査結果を特定の個人を識別できないようにした上で廃棄することとする(ただし、試料については、当該試料に伴う情報から個人情報を削除した上で廃棄することで足りる。)。廃棄等に必要なコストを本人に要求することも契約で定めることができることとする。
個人遺伝情報取扱事業者が、他の個人遺伝情報取扱事業者から個人遺伝情報の取扱いの委託を受けて、これを取り扱う場合には、委託元の個人遺伝情報取扱事業者が得たインフォームド・コンセントの範囲内で事業を実施することとする。
- 【インフォームド・コンセントに盛り込む内容】
-
- 事業の意義(特に、体質検査を行う場合には、その意義が客観的なデータにより明確に示されていること。)、目的、方法(対象とする遺伝的要素、分析方法、精度等。将来の追加、変更が予想される場合はその旨。)、事業の期間、事業終了後の試料の取扱い、予測される結果や不利益(社会的な差別その他の社会生活上の不利益も含む。)等
- インフォームド・コンセントの撤回の方法、撤回の要件、撤回への対応(廃棄の方法等も含む。)、費用負担等
- 個人遺伝情報取扱事業者の名称、住所、電話番号、代表者の氏名・職名
- 試料又は診療情報の取得から廃棄に至る各段階での情報の取扱いについて、個人遺伝情報の氏名等削除措置及び安全管理措置の具体的方法
- 個人遺伝情報の取扱いを他の事業者に委託する場合、又は、他の事業者と個人遺伝情報を共同利用する場合は、委託先又は共同利用先の名称及び個人遺伝情報の氏名等削除措置、安全管理措置の具体的方法(委託先に法及び本ガイドラインを遵守させるために委託元が講じている措置が明確に記載されている場合は、委託先の名称を省略することができる。ただし、委託先が外国にある事業者である場合は、当該委託先の名称を省略することはできない。)
- 外国にある事業者に試料又は個人遺伝情報を提供する場合は、その旨(外国にある第三者への提供については、Ⅱ.2.(6)③を参照のこと。)
- 個人遺伝情報取扱審査委員会により、公正かつ中立的に事業実施の適否が審査されていること
- 個人遺伝情報の開示に関する事項(受付先、受付の方法、開示に当たって手数料が発生する場合はその旨を含む。)
- 遺伝カウンセリングの利用に係る情報
- 問合せ(個人情報の訂正、同意の撤回等)、苦情等の窓口の連絡先等に関する情報
- 【電磁的方法によるインフォームド・コンセントにおいて留意すべき内容】
-
- 本人確認を適切に行うこと。
- 説明内容に関する質問をする機会を与え、かつ、当該質問に十分に答えること。
- インフォームド・コンセントを受けた後も説明事項及び同意事項を本人が容易に閲覧できるようにし、特に本人が求める場合には文書を交付すること。
- ②適正取得(法第 20 条第1項関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
- ③要配慮個人情報の取得(法第 20 条第2項関連)
以下の事項の他は個人情報保護法ガイドラインの例による。
個人遺伝情報取扱事業者は、事業に用いる個人遺伝情報を除き、原則として、要配慮個人情報を取得し、又は利用しないこととする。
- ④利用目的の通知又は公表(法第 21 条第1項関連)
以下の事項の他は個人情報保護法ガイドラインの例による。
個人遺伝情報取扱事業者は、個人遺伝情報及び試料を取得する場合には、これを取得した後でその利用目的を本人に通知し、又は公表するのではなく、あらかじめインフォームド・コンセントにより文書又は電磁的方法でその利用目的を明らかにした上で、本人の同意をとって取得することとする。
- ⑤直接書面等による取得(法第 21 条第2項関連)
以下の事項の他は個人情報保護法ガイドラインの例による。
利用目的の明示は、インフォームド・コンセントによることとする。
- ⑥利用目的の変更(法第 21 条第3項関連)
以下の事項の他は個人情報保護法ガイドラインの例による。
個人遺伝情報取扱事業者は、試料の利用目的を変更した場合においても、個人遺伝情報と同様に、変更された利用目的について、本人に通知し、又は公表することとする。
- ⑦適用除外(法第 21 条第4項関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
- ①インフォームド・コンセントの実施
- 個人遺伝情報の管理(法第 22 条~第 25 条関連)
- ①個人遺伝情報の正確性の確保等(法第 22 条関連)
以下の事項の他は個人情報保護法ガイドラインの例による。
個人遺伝情報取扱事業者は、個人データに該当しない個人遺伝情報についても本項①から④までを遵守することとする。
- ②安全管理措置(法第 23 条関連)
以下の事項の他は個人情報保護法ガイドラインの例による。
個人遺伝情報取扱事業者及び遺伝情報取扱事業者は、個人データに該当しない個人遺伝情報及び遺伝情報について、法第 23 条に基づく安全管理措置義務を負わない場合であっても、個人データに該当する個人遺伝情報と同様の安全管理措置を講ずることとする。
個人遺伝情報については、それを用いて仮名加工情報又は匿名加工情報を作成する場合を除き(仮名加工情報の取扱いに係る規律についてはⅡ.2.(9)、匿名加工情報の取扱いに係る規律についてはⅡ.2.(10)を参照のこと)、以下に定める氏名等削除措置をした上で、個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)の「10(別添)講ずべき安全管理措置の内容」を参考に供し、適切な措置を講ずるよう努めることとする。
- 〔氏名等削除措置〕
-
個人遺伝情報取扱事業者は、氏名等削除措置管理者を設置し、試料又は診療情報を入手後速やかに、委託又は第三者提供の場合にはその前に、試料に付随する情報及び診療情報について氏名等削除措置を行うこととする。
氏名等削除措置管理者は、個人遺伝情報の氏名等削除措置のほか、インフォームド・コンセントの文書又は電磁的記録、氏名等削除措置作業に当たって作成した対応表等の管理及び廃棄を適切に行い、個人遺伝情報が漏えいしないように厳重に管理することとする。
特定個人遺伝情報取扱事業者又は遺伝情報取扱事業者が、委託に基づき、委託元の個人遺伝情報取扱事業者から、委託元において氏名等削除措置がなされていない診療情報又は個人情報を伴う試料の提供を受けた場合には、個人遺伝情報取扱事業者として、上記の例によることとする。
- ③従業者の監督(法第 24 条関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
- ④委託先の監督(法第 25 条関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
- ①個人遺伝情報の正確性の確保等(法第 22 条関連)
- 個人遺伝情報の漏えい等の報告等(法第 26 条関連)
以下の事項の他は個人情報保護法ガイドラインの例による。
個人遺伝情報取扱事業者は、個人データに該当しない個人遺伝情報について、法第 26 条に基づく漏えい等の報告等の義務を負わない場合であっても、本項を遵守することとする。
- 第三者への提供(法第 27 条~第 30 条関連)
- ①原則(法第 27 条第1項関連)
以下の事項の他は個人情報保護法ガイドラインの例による。
個人遺伝情報取扱事業者は、個人遺伝情報又は試料の第三者への提供(法第 27 条第1項)は、原則として行わないこととする。ただし、以下のいずれかに該当する場合には、個人遺伝情報又は試料を第三者に提供することが認められる。
- 法第 27 条第1項第1号に該当する場合
- 法第 27 条第1項第2号、第3号、第4号又は第7号に該当する場合(この場合にあっては、以下のⅰ~ⅸに掲げる事項を、可能な限り、あらかじめ、本人に通知し、又は本人が容易に知り得る状態に置くとともに、本人の求めに応じて第三者への提供を停止することとする。)
- i 個人遺伝情報取扱事業者の氏名又は名称及び住所並びに法人等の代表者の氏名
- ii 第三者への提供を利用目的とすること
- iii 第三者に提供される個人遺伝情報又は試料の項目
- iv 第三者に提供される個人遺伝情報又は試料の取得の方法
- v 第三者への提供の方法
- vi 本人の求めに応じて第三者への提供を停止すること
- vii 本人の求めを受け付ける方法
- viii 第三者に提供される個人遺伝情報の更新の方法
- ix 個人遺伝情報又は試料の第三者への提供を開始する予定日
- 以下の事例のように、提供の相手方や提供される個人遺伝情報又は試料の取扱方法等についてインフォームド・コンセントを得た場合
- 【事例】
-
DNA鑑定のために取得した試料を鑑定技術の向上に向けた研究のために学術研究機関等ではない第三者に提供する場合は、適切かつ明確な目的(「鑑定技術の向上」等)、相手方、保管方法、講ずる安全管理措置、研究終了後の試料の廃棄方法等についてインフォームド・コンセントを得る。
個人遺伝情報取扱事業者は、個人データに該当しない個人遺伝情報についても本項①から⑤までを遵守することとする。
- ②第三者に該当しないもの(法第 27 条第5項・第6項関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
なお、委託の事例として、「医師、医療従事者等に遺伝カウンセリングを依頼する場合」はこれに当たる。
- ③外国にある第三者への提供の制限(法第 28 条関連)
以下の事項の他は個人情報保護法ガイドラインの例による。
外国にある第三者への提供(法第 28 条)は、原則として行わないこととする。ただし、本項①に準じ、本項①ただし書の各号に該当する場合は、この限りでない。
- ④第三者提供に係る記録の作成等(法第 29 条関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
- ⑤第三者提供を受ける際の確認等(法第 30 条関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
- ①原則(法第 27 条第1項関連)
- 個人遺伝情報に関する事項の公表、個人遺伝情報の開示・訂正・利用停止等(法第 32 条~第 39 条関連)
- 個人遺伝情報に関する事項の公表等(法第 32 条関連)
- ①個人遺伝情報に関する事項の本人への周知(法第 32 条第1項関連)以下の事項の他は個人情報保護法ガイドラインの例による。
個人遺伝情報取扱事業者は、保有個人データに該当しない個人遺伝情報(ただし、個人遺伝情報取扱事業者が、開示、内容の訂正、追加又は削除、利用の停止、消去及び第三者への提供の停止を行うことのできる権限を有する個人遺伝情報であって、その存否が明らかになることにより公益その他の利益が害されるものとして政令第5条で定めるもの以外のものに限る。)についても本項1)から9)までを遵守することとする。
- ②個人遺伝情報の利用目的の通知(法第 32 条第2項・第3項関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
- ①個人遺伝情報に関する事項の本人への周知(法第 32 条第1項関連)以下の事項の他は個人情報保護法ガイドラインの例による。
- 個人遺伝情報の開示(法第 33 条第1項~第4項関連)
以下の事項の他は個人情報保護法ガイドラインの例による。
個人遺伝情報取扱事業者は、本人に個人遺伝情報を開示する際には、(11)に記載する遺伝カウンセリングの方法及び(12)に記載するDNA鑑定における留意事項を遵守することとする。
- 第三者提供記録の開示(法第 33 条第5項、第1項~第3項関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
- 個人遺伝情報の訂正等(法第 34 条関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
- 個人遺伝情報の利用停止等(法第 35 条関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
- 理由の説明(法第 36 条関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
- 開示等の求めに応じる手続(法第 37 条関連)
以下の事項の他は個人情報保護法ガイドラインの例による。
個人遺伝情報取扱事業者は、開示等の求めをする者が本人又は代理人であることの確認の方法を定めるに当たっては、十分かつ適切な手続となるようにすることとする。
なお、政令第 13 条第2号の代理人による開示等の求めに対して、個人遺伝情報取扱事業者が本人にのみ直接開示等することは妨げられない。
- 手数料(法第 38 条関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
- 裁判上の訴えの事前請求(法第 39 条関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
- 個人遺伝情報に関する事項の公表等(法第 32 条関連)
- 個人遺伝情報の取扱いに関する苦情処理(法第 40 条関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
- 仮名加工情報取扱事業者等の義務(法第 41 条・第 42 条関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
- 匿名加工情報取扱事業者等の義務(法第 43 条~第 46 条関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
- 遺伝カウンセリング
個人遺伝情報取扱事業者は、遺伝子検査等の結果として、個人遺伝情報を本人に伝達しようとする場合には、医学的又は精神的な影響等を十分考慮し、必要に応じ、自らこれを実施し、又は適切な施設の紹介等により、本人が遺伝カウンセリングを受けられるような体制を整えることとする。
医師又は医療従事者以外の者が遺伝カウンセリングを行う場合には、遺伝カウンセリングに習熟した医師、医療従事者等が協力して実施することとする。
遺伝カウンセリングは、できる限り正確で最新の関連情報を本人に提供するように努めることとする。また、本人が理解できる平易な言葉を用い、本人が十分理解していることを常に確認しながら進めることとし、本人が望んだ場合は、継続して行うこととする。
- DNA鑑定における留意事項
個人識別や血縁関係の推定等を目的としたDNA鑑定においては、鑑定結果がもたらす法的な影響について、十分な法的知識・経験を有する者が協力して情報を提供し、助言を行うこととする。
親子鑑定においては、個人や家族の福祉を重んじることが大切であり、以下の点に配慮することとする。
- i 未成年者、特に乳幼児の福祉には、最大限の注意を払うこと。
- ii 鑑定結果の影響が直接に及ぶ者、すなわち鑑定された父母と子や試料の提供者等の間に鑑定の実施について異論がないことに留意すること。
- 個人遺伝情報取扱審査委員会
個人遺伝情報取扱事業者は、個人遺伝情報を用いた事業実施の適否等を審査するため、 個人遺伝情報取扱審査委員会を設置することとする。ただし、個人遺伝情報取扱審査委員会の設置が困難である場合には、共同事業者、一般社団法人、一般財団法人、学会又は業界団体によって設置された個人遺伝情報取扱審査委員会をもってこれに代えることができる。また、事業者に既に設置されている類似の委員会を本ガイドラインに適合する審査委員会(名称の如何を問わない。)として再編成することができる。
個人遺伝情報取扱審査委員会は、本ガイドラインに基づき、事業実施の適否等について、科学的、倫理的、法的、社会的及び技術的観点から審査し、個人遺伝情報取扱事業者に対して文書により意見を述べることができる。
個人遺伝情報取扱審査委員会は、個人遺伝情報取扱事業者に対して、実施中の事業に関して、その事業計画の変更、中止その他、適正な事業実施のために必要と認める意見を述べることができる。
個人遺伝情報取扱審査委員会は、独立の立場に立って、様々な立場の委員による多元的な視点から公正かつ中立的な審査を行えるよう、適切に構成し運営することとする。
個人遺伝情報取扱審査委員会の議事の内容は、それが具体的に明らかとなるように公開することとする。ただし、提供者等の人権、研究の独創性、知的財産権の保護又は競争上の地位の保全に支障が生じるおそれのあるものは、個人遺伝情報取扱審査委員会の決定により非公開とすることができる。この場合、個人遺伝情報取扱審査委員会は、非公開とする理由を公開することとする。
個人遺伝情報取扱審査委員会の委員は、正当な理由なく、職務上知り得た情報を漏らしてはならないこととする。その職を辞した後も、同様とすることとする。
なお、個人情報を伴わない試料の受託解析のみを行う特定個人遺伝情報取扱事業者においては、個人遺伝情報取扱審査委員会を設置することを要しない。
- 個人遺伝情報取扱事業者の事業計画
個人遺伝情報取扱事業者は、事業計画書の作成に当たり、事業に用いる個人遺伝情報の特殊性に十分配慮することとし、事業に伴い本人等に予想される様々な影響等を踏まえ、事業の必要性、本人等の不利益を防止するための方法等を十分考慮することとする。
個人遺伝情報取扱事業者は、個人遺伝情報又は試料の保存期間が事業計画書に定めた期間を過ぎた場合には、本人又は代理人の同意事項を遵守し、廃棄することとする。
個人遺伝情報取扱事業者は、個人遺伝情報を利用する事業計画の策定又は変更について、個人遺伝情報取扱審査委員会の意見を尊重して決定することとする。
個人遺伝情報取扱事業者は、試料の解析を委託する特定個人遺伝情報取扱事業者における個人遺伝情報の取扱い等も含めて事業計画を策定することとする。
個人情報を伴わない試料の受託解析のみを行う特定個人遺伝情報取扱事業者は、委託元の個人遺伝情報取扱事業者が策定した事業計画の範囲内で事業を実施することとする。
- 【事業計画書に記載する事項】
-
- インフォームド・コンセントの手続及び方法
- 個人情報の保護の方法
- 事業により予測される結果及びその開示の考え方
- 個人遺伝情報又は試料の保存及び使用の方法
- 遺伝カウンセリング及びDNA鑑定におけるカウンセリングの考え方
- 検査等の質の確保
個人遺伝情報取扱事業者、特定個人遺伝情報取扱事業者及び遺伝情報取扱事業者は、個人遺伝情報に係る検査、解析及び鑑定等(以下「検査等」という。)を行うに当たって、その分析的妥当性、科学的根拠等の確保に努めることとする。
- ①分析的妥当性の確保
検査実施施設においては、各検査工程の標準化のための標準作業手順書の整備、機器の保守点検作業書等を整備することとする。また、検査の実施、内部精度管理の状況、機器の保守点検の実施、教育・技術試験の実施等に関する記録を作成することとする。
- ②科学的根拠の確保
検査等を行う場合には、その意義を客観的なデータにより明確に示すこととする。
- ①分析的妥当性の確保
III .「勧告」、「命令」及び「緊急命令」等についての考え方
個人情報保護法ガイドラインの例による。
IV . 適用除外(法第 57 条関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
V. 適用の特例(法第 58 条関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
VI . 域外適用(法第 171 条関連)
個人情報保護法ガイドラインの例による。
VII . 講ずべき安全管理措置の内容
個人情報保護法ガイドラインの例による。
VIII . ガイドラインの見直し
個人遺伝情報の取扱いについての考え方は、法規制の変更、社会情勢の変化、国民の認識の変化、技術の進歩、国際的動向等に応じて変わり得るものであり、本ガイドラインは、必要に応じ見直しを行うものとする。
IX . 個人遺伝情報取扱事業者がその義務等を適切かつ有効に履行するために参考となる事項
個人遺伝情報取扱事業者は、それぞれの行う事業の内容に応じ、次に掲げるガイドライン等の遵守に努めることとする。
- 「遺伝学的検査に関するガイドライン」(平成 15 年8月、遺伝医学関連学会、日本遺伝カウンセリング学会、日本遺伝子診療学会、日本産科婦人科学会、日本小児遺伝学会、日本人類遺伝学会、日本先天異常学会、日本先天代謝異常学会、日本マススクリーニング学会、日本臨床検査医学会、家族性腫瘍研究会)
- 「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」(令和4年3月、日本医学会)
- 「DNA鑑定についての指針」(令和元年 12 月、日本DNA多型学会DNA鑑定検討委員会)
- 「親子鑑定についての指針」(平成 11 年6月、日本法医学会親子鑑定についてのワーキンググループ)
- 「遺伝学的検査受託に関する倫理指針」(令和4年9月、一般社団法人日本衛生検査所協会遺伝子関連検査受託倫理審査委員会)
- 「個人遺伝情報を取扱う企業が遵守すべき自主基準」(令和5年1月、一般社団法人遺伝情報取扱協会)