当委員会が第62回アジア太平洋プライバシー執行機関(APPA)フォーラム及びサイドイベントを主催
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APPAフォーラム本会合集合写真 令和6年11月26日及び27日、当委員会は、東京において、第62回APPAフォーラムを主催しました。本会合では、浅井委員が議長として議事進行を行いました。 フォーラム1日目は当委員会の小川委員からの開会挨拶で始まり、定例議題のセッションでは、中湊専門委員が、個人情報保護法のいわゆる3年ごと見直しに係る検討状況について説明しました。
フォーラム2日目には、大島委員がパネルディスカッション「Data Free Flow with Trust-プライバシー当局の果たすべき役割-」に登壇し、信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)について、当委員会における取組とともに概説し、十分性認定(国・地域レベルでの流通可能化)、モデル契約条項、企業認証という三つの主要な越境移転ツールの利用とプライバシー当局の役割に関する他のパネリストによる議論を展開させました。そして、議論の締めくくりとして、無制限なガバメントアクセスを含む個人情報保護を取り巻くリスクへの対応の必要性を指摘し、OECD内外における議論や取組を紹介しました。
そのほか、本フォーラムでは、AIや先端技術のガバナンス、こどものプライバシー等のテーマにつき、各プライバシー当局等の取組の共有、意見・情報の交換が行われました。
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開会挨拶を行う小川委員 (APPAフォーラム本会合) -
議長の浅井委員 (APPAフォーラム本会合) -
発表を行う中湊専門委員 (APPAフォーラム本会合) -
パネルディスカッションで発表を行う大島委員 (APPAフォーラム本会合) 11月27日午後には、当委員会主催のサイドイベントが開催されました。サイドイベントは、佐脇事務局長の司会進行の下、小川委員からの開会挨拶で始まり、欧州委員会委員の基調講演(ビデオメッセージ)及び2つのパネルディスカッションが行われました。
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サイドイベントの様子
パネルディスカッション「Data Free Flow with Trust-マルチステークホルダーによる議論-」においては、中湊専門委員がモデレーターとして登壇し、個人データの越境移転を行うために用いられる三つの主要なツールである、モデル契約条項、十分性認定(相互認証)及び企業認証を取り上げ、事業者における具体的な活用事例、学問的見地からの個人データ越境移転規制の現状とその実効性向上の可能性、データ保護機関としての個人データの適切な越境移転の確保に関する取組といった事項について、議論が行われるとともに、DFFTの阻害要因としてのガバメントアクセスの問題とその解決の可能性についても、意見が交わされました。
パネルディスカッション「デジタル時代における個人情報の利活用と保護-PETsと先端技術-」においては、個人情報をどのように活用し、どのような便益を生み出しているのか、企業における取組の現状や今後の展望が、個人情報の保護に関する取組とともに紹介されました。一方、デジタル技術の高度な発展に伴い、個人情報の取扱いが一段と複雑化する中、消費者の視点から、この取扱いの不透明さが増してきていることに対する不安が率直に述べられました。その上で、両者をいかに調和させることができるのか、学術と実務の橋渡しの役割を担うシンクタンクや、監視監督を担うデータ保護機関などからも、プライバシー強化技術(PETs)の活用可能性も含め、様々な意見が示されました。また、AIを始めとする先端技術に対する規制に当たっては、データ保護機関単体による取組では必ずしも十分でなく、競争当局、消費者保護当局といった他の関係機関と協働していく必要性についても、言及されました。
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開会挨拶を行う小川委員 (サイドイベント) -
基調講演 (サイドイベント) -
パネルディスカッションでモデレーターを務める中湊専門委員(壇上一番左) (サイドイベント)